当科の不育症診療

不育症外来を受診される方へ

初めて受診される場合


◆紹介状をお持ちの方
1.木曜日の初診外来で予約を受け付けています。一部火曜日の不育症外来でも予約を受け付けていますが、

  完全予約制ですのでお問い合わせ下さい。(詳細はこちら)  
  それ以外の曜日でも不育症の初診は受け付けていますが、専門外の医師が担当することになります。

2.予約がない場合でも木曜日初診外来で不育症の初診は受け付けていますが、時間の指定はできません。

  受付順に診察致しますので、待ち時間がかなり長くなる場合があります。
 

◆紹介状をお持ちでない方
 紹介状がなくても受診して頂くことは可能ですが、診察の順番は紹介状をお持ちの方が優先されますので、

 あらかじめご了承ください。その場合、午前11時までに初診の受付をしてください。

*前医での検査結果、レントゲン写真などをお持ち頂くと、検査の重複を避けることができます。

 なお、紹介状がなくても受診して頂くことは可能です。その場合、過去の妊娠歴に関してなるべく詳細な

 情報(流産と診断された妊娠週数、胎児心拍確認の有無、病理検査、絨毛染色体検査結果、不妊治療を

 行った場合はその方法や妊娠判定日のβhCGの値など)があると診断・治療の助けになります。

*できるだけご夫婦での来院をお勧め致します。

  • 診察前に書いて頂く問診表こちら
再診の患者さん

 ◆不育症外来(完全予約制:要電話予約) 毎週火曜日
 ◆TLC外来:不育症の既往がある方が妊娠したときにかかる外来です。 (詳細はこちら

診療の流れ

不育症の診断と治療

1. 不育症とは?

妊娠はするが、流産や死産を繰り返して元気な赤ちゃんが得られない状態を不育症といいます。死産を繰り返すとは珍しいので、ほとんどが流産を繰り返す反復流産、習慣流産です。一般に100人が妊娠すれば10〜15人は流産に終わります。原因の多くは胎児側にあり、50〜70%は胎児の染色体異常によるといわれています。ほとんどの染色体異常は偶発的なもので、これが繰り返されることはまれといって良いでしょう。すなわち、流産を繰り返す場合はこれ以外の理由、母体側や父親側あるいは両親(夫婦間因子)に原因があることが多いのです。不育症外来はこうした悩みをもつ夫婦に対して、原因の究明・診断・治療を行う外来です。

2. 流産を2回繰り返したら

不育症の定義からすると、流産回数の定義はありません。一般的に流産を3回以上繰り返す場合を習慣流産といい、これが不育症とほぼ同義語として使われています。したがって、流産を3回繰り返したら不育症の検査をすることをお勧めします。しかし、当科の調査によると2回だけの流産歴でも系統的検査を行うと60%以上の人に何らかの異常が見つかります。したがって、われわれは2回流産を繰り返した時点でも、場合によっては検査を始めることを勧めています。また、原因不明の死産(胎内死亡)を起こした場合も、抗リン脂質抗体症候群などが原因であることもあり、検査が必要です。

3. 不育症の検査

不育症の原因は多岐にわたっています。流産の時期やパターンから原因を推定するのは難しく、系統的なスクリーニング検査が必要となってきます。青字は保険適用外検査です。

原因 検査・基準値
一般検査   血算
血液像
生化学

 

子宮形態異常 子宮奇形(中隔子宮、双角子宮、単角子宮など)、子宮筋腫(粘膜下筋腫)、子宮腺筋症、子宮腔癒着症(アッシャーマン症候群)、頸管無力症などが流産の原因になります。 超音波断層法(3D超音波を用いると内腔の形を正確に評価できます)
子宮卵管造影
子宮鏡
MRI

         

内分泌代謝異常 黄体機能不全、高プロラクチン血症、甲状腺機能異常、糖尿病などがこの範疇に入ります。卵巣機能は基礎体温をつけると多くのことが分かります。


最近、甲状腺機能を適切にコントロールすることが重要であることが分かってきました。当院の糖尿病・内分泌代謝内科と協力して治療にあたります。
黄体中期
エストラジオール
45〜300
pg/ml
黄体中期
プロゲステロン
>10 ng/ml
プロラクチン値
 
≦24
ng/ml
甲状腺機能検査
(TSH)
<5.00
(2.50)
甲状腺機能検査(FT4) 0.83-1.64
抗サイログロブリン抗体  
抗TPO抗体  
空腹時血糖 70-109 g/dl
HbA1c 4.1-5.9%

 

血液凝固
異常
近年、不育症の原因として血液凝固異常、血栓性素因が注目を浴びています。抗リン脂質抗体症候群は最終的に凝固異常により流産に至るとされていますが、ここでは抗リン脂質抗体症候群を自己免疫異常の項に入れることにします。 APTT 25-40
PT INR  
第XII因子 50-150
Fibrinogen 170-400
アンチトロンビン 79-121%
TAT <3.0ug/ml
D-Dimer <1.0ug/ml
Protein C(抗原) 70-150
Protein C(活性) 64-146
Protein S(抗原) 65-135
Protein S(活性) 60-
血小板凝集能  

 

感染症   腟分泌物培養
BV score
クラミジアDNA (PCR)
抗クラミジアIgA抗体
抗クラミジアIgG抗体

 

抗リン脂質抗体症候群 本来、免疫が自分以外のもの(抗原)を排除してくれるからこそ、生体としての機能を保つことができます。しかし、この矛先が自分に向いてしまい、様々な障害を起こす病気が自己免疫疾患です。不育症の原因に、自己免疫異常の一つである抗リン脂質抗体症候群によるものがあるという事実が分かってきました。最も検出頻度の高い項目です。 抗核抗体 <80x
LAC(dRVVT) <1.3
抗カルジオリピン
抗体 IgG
<10
抗カルジオリピン
抗体 IgM
<8
抗β2GPI-IgG抗体 <1.2
抗PE抗体 IgG <0.300
抗PE抗体 IgM <0.450
抗PS抗体 IgG <1.0
抗PS抗体 IgM <1.0
抗プロトロンビン抗体 <5.2

 

補体   CH50 32-44
C3 80-150
C4 15-40

 

同種免疫異常 胎児は父親の遺伝子を引き継いでいますので、母体にとって実は異物です。異物を排除するのが免疫の役割ですから、本来の働きをすると、妊娠という現症は起こり得ないことになります。しかし、通常はこのような事態にならないようなしくみがあるはずです。まだ、分かっていない部分が多いのですが、この仕組みに異常があると、いわゆる同種免疫異常による流産が起こります。 NK細胞活性 18-40%
Guranulysin
 
 

 

染色体   夫婦染色体検査(妻)
夫婦染色体検査(夫)

 

不育症の治療

前述のように、不育症の原因は多岐にわたり、それぞれの病態に応じた治療が必要になります。以下、代表的な治療法について述べてみます。


 A. 低用量アスピリン療法
 B. ヘパリン療法
 C. 子宮奇形態異常に対する内視鏡的治療

 

TLC外来について

TLCとはTender Loving Careの略で、そのまま訳せば「やさしさに包まれるような愛に満ちたケア」となりますが、不育症の既往を持つ方が妊娠したらかかる外来と考えていただければよいと思います。

反復流産の既往があると、妊娠しても喜べずかえって不安が募る毎日を過ごしている場合が多いものです。通常妊娠の診断がつくと、次回健診は早くても2週間後、長いと4週間後になってしまいます。過去の流産が妊娠初期の場合、一番心配な時期に診察が受けられないことになります。TLC外来は、そんな不安を少しでも和らげるため、妊娠のごく初期(胎嚢が見える前から)から少なくとも1週間に1回は来ていただき、すこし時間をかけて専属のスタッフが診察をする外来です。特別な薬を使うわけでもなく、魔法を使うわけでもありませんが、TLCにより赤ちゃんが産める確率が高まったという科学的なデータも出ています。

妊娠かと思ったら、まず予約を入れて下さい。
原則的には毎週(月)(火)(木)の「TLC外来」枠で診療しています。

本文(スマホ): 
 
診療科目

所在地・ご連絡先

〒113-8603
東京都文京区千駄木1-1-5
電話:03-3822-2131(代表)
地図と交通
  • 紹介状をお持ちの方へ
  • 感染対策
  • 付属病院現職看護師 説明会案内
  • 付属病院臨床研修センター
  • 学校法人日本医科大学アクションプラン21新病院建設プロジェクト
ページトップへ